【コロナ禍での留学】イタリア留学の場合


Ciao Tutti! こんにちは

ミラノで建築を学んでいる【スズ】がお届けします。



「なんでわざわざ、コロナ禍に海外渡航するの?」


「大人になっても海外には行けるんじゃない?」


留学を決めた時から今まで、何度もこのような質問を受けました。


ただでさえ手続きの多い留学という挑戦に、コロナという社会情勢も相まって様々な障害があり、さらに「自分のわがままなんじゃないのか」という葛藤もありました。


今日はこのブログを始める前にまず、そもそもなぜ留学したのかに関してお話ししていきたいと思います。


1.コロナ禍での留学を決めるまで

2.コロナ禍留学準備の詳細タイムライン

3.コロナ禍留学準備の葛藤

4.終わりに


の順に説明していきます。


これからもきっとしばらく続くコロナ禍で留学に行こうか迷っている方に向けて、

具体的にどのような準備や障害があったかを共有します。

少しでもお役に立てればうれしいです。




1.コロナ禍での留学を決めるまで


2020年2月、ダイヤモンド・プリンセス号でのコロナ集団感染を皮きりに、

日本でもwithコロナの時代が始まりました。


ちょうど学部4年生だった私は、卒業旅行も諦めざるをえず、卒業式も大学院の入学式も中止となり緊急事態宣言下での生活となりました。

受験勉強を経て入学したはずの大学院の生活もずっとリモートで、小さなアパートの中でパソコンに向かって話す毎日。


しかし大学院生活はたった2年しかありません。


リモートでの授業が無意味だったとは思いませんが、大学院1年が終わる頃には正直「私の大学院生活は奪われた」と感じていました。

このまま、同級生と共に設計したり時にお酒を飲み交わして語らったりすることのないままに大学院生活を終えて社会に出るのだろうかと、思い悩んでいました。


その頃、建築の同級生の中で休学を選択する仲間が増えてきました。


私の在籍する東京芸術大学は、簡単に言えば美大で、座学より制作に重きを置いている大学です。

東京芸大に所属する利点は、充実した機材と作業環境、近い距離で相談できる教員などがあげられますが、そのほとんどはコロナの影響で活用できない状態でした。

結果的には、なんと半数近くの同期が休学を決めることに。



そこで一度は私も休学を考えますが、

結局日本国内全体が自粛ムード、仮に休学したとして充実した1年間を自分で作れる自信がありませんでした。


そんな中で思いついたのが、留学です。


留学なら否応なしに生活を変えられるし、明確な目標が立てやすく、怠け者の私でも生きるためにあがいて成長できるかもしれない。

このまま小さなアパートで過ごすくらいなら、新しい環境に挑戦しよう。

もし渡航がダメと言われたら、その時は普通の休学に切り替えればいい。


最初はそんな軽い気持ちで留学を決意しました。




2.コロナ禍留学準備のタイムライン


コロナ下での留学準備は、とにかくイレギュラーが多くストレスフルなものでした。

ざっくり、タイムラインを共有します。


これでも、大きい出来事をすくっただけで、細かいトラブルは山のようにありました




3.コロナ禍留学準備の葛藤


特に一番ショックだった事件は、6月のこと。

かなり大変だったトビタテの選考の最中に発表されたこの文章です。


奨学金支給対象期間:留学期間は連続した9か月以上であること


※ 当初より支給予定であった月額奨学金の総額に増額はありません。 」


https://tobitate.mext.go.jp/news/detail.html?id=306


この時の私の留学計画は8カ月で提出済み。

新しい制約の9カ月に1か月足りないがために奨学金が支給されないばかりか、

渡航自体も許されない状況に。


9カ月という基準もよくわからないけれど、せめて留学計画を作る時点で伝えてほしかった…。


この発表後、大学の留学担当者とトビタテ担当者のもとへ足しげく通い、議論を重ね、なぜ留学を認めてもらえないのか何度も話し合いました。


冒頭にもあったように

「なぜコロナ下で留学に行く必要があるのか」

という問いを何度も考え、


自分自身でも「こんなに皆さんに大変な思いをさせてまで本当に行くべきなのか、留学は自分のわがままなんじゃないか」と思い悩んだ時期もありました。


しかし、9カ月の制約で苦しんでいる同じ留学仲間達と知り合い話を深めるうちに、

留学は学生に与えられたひとつの選択肢であって本来誰かに止められることではない、と思うようになりました。

私の場合は交換留学なので、もちろん大学の方にサポートをいただき始めて留学が実現するわけで、時には迷惑をかけることもあるかもしれません。


しかし、その制度全体が停止されない以上は、留学のチャンスはあると信じたいと思ったのです。


そして最終的に、合計120通以上の議論と最終面接を経て、なんとかトビタテの事務局に変更申請を提出し、大学からの渡航許可を得ることができました。

東京芸大の場合は幸運にもトビタテの職員さんがとても親切で丁寧な方で、最後までサポートしていただきました。

本当に、感謝してもしきれません。





4.終わりに


最終的に私は、


元の計画(2021年8月~2022年3月までの8カ月 6カ月ミラノ工科+2カ月フィールドワーク

今の計画(2021年9月~2022年5月までの9カ月 6カ月ミラノ工科+3カ月フィールドワーク


と留学計画を1か月延長する形で変更申請を提出しました。


また、元々は1年の休学予定で2022年4月から復学を希望していたので、

ここも担当教授の青木淳先生と事務の方々と何度も協議をし、

2022年4月~5月の2か月間をイタリアからのオンラインでの復学を認めてもらいました。


この話し合いでは特に、前例がないため事務の方々にはかなり説得が必要でしたが、

昨年度のコロナ下でアパートの中で過ごしたオンラインの一年を引き合いに何とか説明し、

最終的には既に座学の単位を取り終えていることと、指導教員の同意があることを理由に許可いただきました。



そして8月末に大学のトビタテ担当の方に多大なお互協力をいただき、

8月の末に変更申請を提出し、申請中という形で9月にイタリアに渡航、

10月初旬に変更申請承諾の連絡を受け、やっと一息ついているところです。


今現在も、この9カ月という制約に苦しんでいる方や、あるいは留学計画をあきらめたという知り合いもいます。

感染症という、誰のせいでもない情勢によって多くの学生が様々な学びの機会を失っていると思います。

そんな中で幸運にも渡航出来たことに感謝しながら、このブログを通して皆さんに留学での学びを還元出来たらいいな、と思っています。


留学に行くか思い悩んでいる方、トビタテ奨学金の変更申請などで困っている方、

何か力になれることがあるかもしれません。

是非コメントか、私のTwitterにDMを送ってください。


「まだ具体的には考えていないけど、留学ってどんな感じなんだろう?」

という方は、twitterでイタリア・ミラノ工科大学での生活を1日1ツリー更新しているので、

まずはどんな感じかな?と覗いてもらえると嬉しいです

https://twitter.com/SUZUMilano


それではまた、次の記事でお会いしましょう。


Arrivederci! さようなら!


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